どうなるウクライナ情勢

2014年03月20日

 ウクライナ共和国内のクリミア自治共和国が住民投票の末に独立、ロシアに編入されることになりました。最もこれはロシアが言っていることで、日本を含む欧米諸国はこれを承認していません。ウクライナという国家が存在する以上、国家の憲法に則らなければならない、といのが欧米諸国の意見ですし、一般的にもそうです。もし九州が独立したいといっても九州だけで住民投票してもそれが有効でないのと一緒です。

 しかしクリミアの人々の6割以上はロシア語を話し、ロシア人と一緒です。ロシアとクリミアは兄弟のようなもの、そこにロシアの強気が伺えます。

 ここ2回外務省からウクライナ情勢についての実情を聞きました。日本はもちろん欧米諸国と歩調を合わせます。経済制裁もします。しかしどうも見ているとロシアに分がありそうな気がします。

 ロシアの主張ははっきりしています。「もともとロシアと一緒である。住民もクリミアからの独立を願っている。これにロシアが手を差し伸べなかったら、ロシア国家としての正義が疑われる」というまさにわかりやすい理論です。

 一方、欧米は腰が引けています。「ウクライナは純然たる国家である。国家として認めている以上、ウクライナの主権、領土、統治機構は他国が介入すべきことではない」という、これも当たり前の理論ですが、ロシアから多くの天然ガスなどを輸入しているEUとしては、なかなかロシアと対決しづらいという事情があります。アメリカは世界の支配者として、ロシアに勝手なことをさせたくない、という気持ちです。

 今後更に武力衝突まで発展するのか、国連でどう裁くのか注目されるところですが、ここまではロシアの勝ち。今後の展開もロシアがなし崩し的に、クリミア半島をロシア領にしそうな空気です。

 国家間の紛争と外交の駆け引きはこれからです。