沖縄のサトウキビ
2013年12月06日
「サトウキビ交付金」というのがあります。砂糖の原料は外国から輸入されますが糖価調整金という関税をかけています。そうしないと無制限に砂糖の原料が輸入されることになるからです。
一方沖縄や、鹿児島の島々は台風と土壌からサトウキビしか作物としては出来ません。もし安い砂糖の原料が無制限に輸入されることになると、沖縄の方々の生活が出来なくなり島を出て行かざるを得なくなります。島は無人島になり、諸外国から不法侵入者が入ってきたりします。尖閣諸島状態があちこちに広がるということになります。
そこで生産費は高くても沖縄の方々にサトウキビを作ってもらわなくてはなりません。そのため少しでも生産費に収入を近づけ、手取りを確保するために交付されるのが「サトウキビ交付金」です。
この価格は国が決めます。担当は野菜・果樹・畑作小委員長である私ということになります。
昨日その交付金が決定しました。昨年よりキロ当たり100円のアップでした。結構な上昇と自負しています。
沖縄、鹿児島ののサトウキビ関係者の方に東京に来ていただき昨晩、交付金額の決定を報告しました。
感謝しておられましたが、こうも述べられました。
「今年の10月台風が来た。丁度その日は日曜日で島の小中学校は運動会だったがやむなく中止した。台風通過の後小中学生は校庭集まり、みんなで折れたり散らばったりしたサトウキビの整理にかかった。もちろん大人も一緒に島のみんなで作業をした。それだけ私たちはサトウキビの生産とともに生活している、ということを知ってほしい」と涙を交えていわれました。
私たちも涙交じりで聞いていました。農業はこのように長年の歴史の中でみんなの知恵と助け合いの中で受け継がれています。その現場の姿を常に胸に受け止めて、生産者のために政策をつくっていかなければならないと改めて思った次第です。