日銀の次元の違う金融緩和

2013年04月05日

 日銀が本当に驚くような金融政策を打ち出しました。来年末までに世の中に出回る通貨の量を今の138兆円から270兆円の2倍にするというものです。
 各銀行から国債や投資信託を買い入れ現金を銀行に渡す。すると銀行は企業や個人にお金を貸すことになる。世の中にお金が出まわり、お金の価値が減少して物価が2パーセント上がる。それに比例して給料なども上がり日本のデフレに歯止めがかかるというシナリオです。
 日銀がこのような決定を出した以上、これから数年、お金がかなりの量、世の中に出回ることになります。今の日本を考えれば、民主党が採った、分配主義の政策がデフレを助長させ、経済成長になんら効果がなかったという結果が出た以上、この方法しかありません。
 「サイは投げられました」。それに沿っていかにより良い方向に導かせるかの政策を出していかなく出はなりません。
 問題は、世の中にあふれるお金を遣うためには、規制緩和が必要です。お金を少しでもいろんなところに遣うために今、縛られている規制をはずす。そのことによって、これまで遣われなかった部分にお金が遣われるようになって、思わぬところから成長の芽が出てくる、というのが最終的な目標です。
 しかし規制緩和というのが難しい。一定の必要性があって規制されている分野があります。農業、中小小売業、教育、医療、福祉などですが、これが何でもありになってきます。
 果たして生活が本当によくなるのか。社会の規律が保たれるのかという心配があります。
 竹中平蔵氏が以前進めた路線です。
 更に日本が少子高齢化している現在、消費志向や国民の欲望がどれほどあるのかが分かりません。「笛吹けど踊らず」ということも考えられないではありません。
 しかし国民と経済界などの高い支持率を得てこの路線がスタートした以上、私たちは、これを是認し、進むしかありません。後は日本再生のために日本にあった仕組みにいかに載せていくかが大切と考えます。
 何でもありのアメリカややたらと規制をはずしていったかつてのイギリスとはまた違った路線が求められます。