採用者数の急減は失敗する

2012年04月03日

 国家公務員の今年の採用者数が対09年度比の56%となっています。このような採用者数の急減は必ず後々大きなしわ寄せとなってその組織に降りかかります。
 私が新聞社に入社したときは大量採用の年でした。ですから少数採用だったら入社出来ていなかったかもしれません。その次の年から3分の1になりました。第二次オイルショックの年だったことによります。その後徐々に増え、私たちと同じ人数に。更にバブル、そしてバブル崩壊とめまぐるしく経済状況が変わり、採用数も乱高下しました。
 結果として、少人数採用の年はその後辞めていったり、病気になったりして更に減少して人材が枯渇して、中途採用を図る。多すぎた年はなかなか辞めなくて、人件費の負担になり、関連会社への転出を図る、というようにやり繰りをして来ました。私の年は辞めたのは私一人、今仲間が退職の時期で、退職祝いに呼ばれます。
 ですから計画的に採用しなければ組織は、やる気がなくなったり、人材が枯渇したり、組織そのものに変調をきたします。中途採用を多用すれば、それをカバーすることも出来ますが、官庁にそれが出来るかどうか怪しいところです。
 「消費税を引き上げるので、身を切る覚悟で」といううたい文句で、目に付くところだけこのように、削減策を実施しても、結果として組織の損失になるなら何にもなりません。「角を矯(た)めて牛を殺す」ー角をせっせと磨き、見栄えのいいようにするが、それにこだわる余り牛が死んでしまうー類の政治が続いています。