戦争は避けられなかった?
2012年01月20日
昨日は夕方早く仕事が終了しましたので、映画「連合艦隊司令長官・山本五十六」を見に行きました。この種の映画や書物はかなり見たり、読んだりしているので、どのような構成になっているのか、また原作が半藤一利氏で私が好きな歴史ノンフィクション作家でもありますので興味を持っていました。
映画それ自体は普通のものでしたが、やはりあの映画を見る限り、あのころの日本人は軍部だけでなく、マスコミも国民も戦争がしたくて、したくて仕方がなかったようです。どっちにしても避けられなかったような気がします。
日清戦争で勝利、日露で講和に持ち込み勝利という形で収めましたが、戦場はいずれも大陸。国民にとっては戦争は遠くで兵隊さんがするもの。そして勝利する、そのような方程式で考えていたのでしょう。オリンピックのような感覚ではなかったんだろうかとも思います。
それがアメリカ軍の一斉空爆。東京をはじめめ200に及ぶ都市が破壊されるなどまさに想定外だったのでしょう。最後は原子力爆弾。完膚なきまでにやられ、これが戦争だったのか、と始めて思い知った、というのが国民の感情だったのだと思います。
過去の方程式にとらわれること、それ以外の事象は「想定外」と解釈する。組織や社会が硬直化するとこのようなことになるということです。
情報通信の飛躍的な進化、一方で大災害など、予測を超えるものばかりですが、そのことに考えが及ばなくては、国家や人間はいつも敗北するということを証明しているように思いました。
映画館を出ようとしたら、後ろの席に大先輩の加藤紘一先生が座っておられました。「一杯やってかいくか」と誘われ、近くの小料理屋でうまい酒を飲ましていただきました。