税制は難しい

2011年12月02日

 年末近くになって、来年度の税制をどのようにするか、という論議に入ってきました。自民党が与党のときは、年末の税制調査会というのは大変な論議でした。応援団が一杯詰めかけ、各省庁も省益をかけて自民党政治家にしゃべらせていました。それだけ税というのは重たいものです。税金を上げるかあげないか。業界に特別措置を取って減免するかどうかで、業界の命運が決まると言ってもいいのです。しかしあんまりサービス過ぎると今度は国の金庫が空になってしまいます。どのようにバランスを取るかが難しいところ。
 省庁の領分争いも激しい。例えば、地球温暖化に対応するため、石油・石炭業界から、排出するCО2を減らすために税金を取って削減対策の財源にしようとします。しかし森林業界は森林もCО2吸収源である。その財源は森林整備にも使わせてほしい、と言います。経済産業省は「自分たちの財源だ。とんでもない」、林野庁は「これだけ地球温暖化防止に森林が貢献しているではないか」の対立です。なかなか結論はでません。
 民主党はサービス精神旺盛ですから、自動車業界など、さまざまな減税措置を取ろうとしています。一方で交付金や所得補償のバラマキをやっている。お金がいくらあっても足りません。耳に心地よいことはいいことですが、自民党がそれで失敗して1000兆円の借金をつくってしまった。このまま民主党政権が続くなら、借金に更に拍車がかかります。