関税の役割

2011年12月01日

 今回自民党の農林部会「野菜・果樹・畑作小委員長」になりました。昨日はサトウキビ、てん菜という砂糖の原料になる作物と、でん粉の原料になるかんしょ、ばれいしょについての対策会議でした。
 サトウキビとかんしょは生産地が鹿児島と沖縄、てん菜とばれいしょは北海道に限られています。てん菜、ばれいしょは北海道で連作障害を防ぐために小麦、てん菜、大豆、ばれいしょ、と耕作地を4つもしくは3つに分けて輪作体系を作り生産している作物です。いわば北海道の大地を守る作物です。
 一方サトウキビ、かんしょは沖縄、鹿児島の離島を中心に作付けされています。サトウキビしか出来ない土地、生産性は低いのですが、離島を無人島にしないための作物でもあります。いわば国境を守っている作物です。
 このためサトウキビには300パーセントの関税をかけ、それで得た関税収入を助成金としてサトウキビ農家やてん菜農家に交付しています。関税はそのような農家や地方を守っている貴重な収入でもあるのです。
 牛肉にも豚肉にも、小麦にも関税は少しかかっていますが、それらは全て畜産農家や麦作農家のために使われています。もし関税がゼロになれば、サトウキビ農家も畜産農家も生き残れなくなる可能性があります。離島が無人島になり外国の船が侵入してきたり、草原が荒れたり、北の大地が維持できなくなります。だからTPPには反対しているのです。
 関税をゼロにして安くものが入ってきたり売れたりするのが生活を豊かにすると思われていますが決してそうではありません。安くなっても生活が出来なくなったらおしまいです。日本にとって何が一番いいのかをしっかり考えなくては、地方も、私たちの生活もなくなってしまいます。