基礎自治体ほど苦悩深く

2011年07月28日

 昨日は日帰りで福島の郡山市などを視察しました。地元の市町村長さんたちと話し合うためです。郡山など原発事故による避難地域外の自治体には、原発地域から多くの住民が避難されています。民間アパートや仮設住宅などさまざまな形態で生活しておられます。その数は数万人に上ります。
 避難もとの町村長さんと避難先の市長町長さんに集まってもらいその悩みを聞きました。
 避難もとの町長さんたちのところには「いつ帰れるんだ。ある程度の目安だけでも示してくれ。それでなくてはこれからどんな生活設計を立てていいか、たてようがない」という意見が圧倒的に多いといいます。
 当然です。職場をどうするか、子供の学校は、今の避難地域に数年間いなくてはいけないとなるとまた気持ちの持ち方が変わってきます。一年くらいなら我慢もできるというものです。いつ帰れるかー町長さんたちにはこたえられません。町長さんたちの苛立ちは私たち国政に向かいます。
 一方避難者を受け入れている町や市は住民サービスに追われます。既存の住民と差別がないように、またトラブルも起きないように気を使います。目に見えぬ財政的出費がかさみます。仮設住宅建設には広大な用地が必要です。そこに住宅だけでなく介護施設や集会所も造られます。一つの市の中に2-3の町村が入り込んで行政が行われます。
 今度、住民票がどこにあっても、原発関連の避難者だったら以前いた地域と同じようにサービスが受けられるという法律が出てきますが、末端に行けば行くほどさまざまな具体的問題が出てきます。被災地の市町村長さんたちは大変だということを改めて実感しました。今日から早速その法律の審議に入ります。