低炭素社会づくり推進基本法

2009年06月12日

 昨日は地球温暖化を防ぐための国内の基本法「低炭素社会づくり基本法」の構成案を論議する自民党の部会に出席しました。直前に麻生総理が2020年の日本のCO2削減の中期目標を、2005年比で15パーセントと発表しましたので、なおさら重要な部会です。

 「低炭素社会づくり基本法」については野田毅、川口順子、塩崎恭久先生らが中心になって立法の準備を進められています。前回の部会で素案が提示されましたが「もっと基本法らしくして欲しい」「余りにも具体的過ぎる。これでは企業の活動が鈍ってしまう」「日本はものづくりの経済で生きている国。低炭素と言う美名の下に必要以上に企業活動に規制を強いるような法律にすべきではない」という反対意見が強く出されました。

 私は、「そうは言ってもCO2の削減は世界の約束事。それを自分の国の事情で緩めてしまうことは時代に逆行するし、先進国の一員として世界の批判を受ける」と反論しようと思いましたが、多勢に無勢。またその部会にこれまであんまり出席していなかったこともあり発言を差し控えていました。

 今日、またこの法律に反対する意見が数多く出たらそれに反論しよう、と一応覚悟を決めて臨みました。ところが一転。先の部会で反対した議員さんたちがこぞって「ごくろうさま。よく出来た案」「無修正で通してもらいたい」「菊づくり菊見るときは陰の人」などといわれるではありませんか。びっくりしました。法案の内容は多少は修正されていますが、それほど思い切った変化はありません。こんなに手のひらを返したようになるのだろうか。反論されていた人たちはいわゆる、企業の応援団。経済産業関連議員といわれる方々です。前回の会合から今回に至るまで何があったか知りません。経団連をはじめとする経済団体がこれらの議員さんたちに、どんなシグナルを送ったのかも分かりません。また総理が15パーセント削減と言っているのに、それに抵抗する勢力と見られたくない、という議員心理があったのかもしれません。しかし・こんなに見事に手のひらを返されると、政治家としての資質を問いたくもなります。

 私はたまらず手を挙げて「法案の中の基本理念があまりしつこすぎる。各部会の意見を羅列しただけのように思える。基本理念だからもっと簡潔にすべきではないか」というのが精一杯でした。

 夜、飲みながら総務省出身の議員さんにこの話をしましたら「経済産業省、以前の通産省はそんな所だよ。その場が良ければいいんだから。ポリシーなんかないんだから」とにべもなく言われました。これもまた省庁間の争いなのでしょうかねー。