TPP交渉に危機感

2015年07月23日

 TPPの閣僚交渉は28日からアメリカのハワイ州で開催されます。農産物や自動車部品など、かなりの分野で実務的に交渉が進んでおり、今回で合意に達するのではないかと言われています。
 しかし農業者からすれば畜産物や乳製品の関税が引き下げられ、またコメについても今以上にアメリカなどから輸入されると日本の農業は更に疲弊し、壊滅状態になります。
 昨日は「TPP交渉における国益を守り抜く会」が自民党本部で開かれ現在の状況に対しての不満の声が数多く出ました。「もっと強行に」「アメリカの都合で日本がまとめ役にならなくていい」「脱退覚悟で交渉を」などです。
 アメリカのオバマ政権は来年までです。今最後の仕上げをやっています。それは「TPP交渉を成立させて太平洋圏の貿易を増大させアメリカの雇用を増やすこと」「キューバとの国交正常化で新たな経済や安全保障政策を展開する」「イランの核開発停止への協定」です。これらのうち、キューバとイランはほぼ実現しました。後はTPPのみです。ここで強引に最終交渉まで持って行くことが考えられます。
 それに日本がお付き合いする必要はありません。ここは農家の実情や本当に長い目で見た国益がどこにあるかを見極め、慎重に交渉することが大切です。